名前ぐらいは聞いたことがあるけど
普通の化粧水とどう違うの?
『収れん化粧水』と聞くと、意外とこんな感じにちょっとボンヤリしたイメージしか持っていない、という女性も少なくないものです。
”しゅうれんけしょうすい”という名称や【肌を引きしめるための化粧水】という事は知っていても、実際にどんな成分で、どんな肌体質のひとでも使っていいものなのかどうか。
あるいは肌を引き締めるための正しい使い方までちゃんとわかっていて活用している人となると、決して多くはないと思います。
ここでは収れん化粧水とはどんな化粧水でどんな人に適しているかを含め、収れん化粧水の正しい活用方法についてご紹介していきたいと思います。
収れん化粧水とは!ふつうの化粧水とどう違う?
収れんというのは正確には【収斂】と書き、「縮む」「縮める」というのが本来の意味。そして化粧水ということはスキンケアに使用するもの。
つまり収れん化粧水とは、肌を収縮させる≒肌を引き締めるための化粧水ということですね。事実、収れん化粧水には肌の組織や血管を収縮させることで、肌を引き締める働きをもった成分が使われているんです。毛穴を引き締めて肌のキメを整えるための化粧水、とも言えますね。
実際には収れん化粧水は各化粧品メーカーから様々な種類の商品が販売されているんですが、いまいちその名称に聞き慣れないイメージを持っているひとも多いかもしれません。
これは収れん化粧水には「トーニングローション」や「アストリンゼントローション」などいくつか呼び名があり、またそうした呼び名を元にした商品名で販売されているケースが比較的多いためでしょうか。
名称が違っても収れん化粧水であれば、基本的にはふつうの化粧水(柔軟化粧水)とは違い、肌を引き締める事を目的に作られているタイプの化粧水であると言えます。
収れん化粧水の効果について
上で収れん化粧水の働きとして、肌を引き締めるというお話をしました。
この働きは実際のお肌への効果と言う意味でいうと、どういったメリットがあるんでしょうか。
収れん化粧水を使う目的、期待されるスキンケア効果をまとめてみました。
ニキビ予防やテカり防止
収れん化粧水には『脂性の肌体質のひとが使うもの』というイメージを持っている女性もいるかもしれませんね。毛穴や肌を引き締める働きにより、皮脂の分泌を抑える効果が期待できます。
皮脂の分泌量が多いためにニキビが出来やすい、また皮脂腺の多い箇所がテカりやすいといった悩みを持つひとに収れん化粧水の利用者が多いのは、毛穴を引き締めるという働きによって、ニキビ予防やテカりを抑えるという効果が収れん化粧水には期待出来るからなんですね。
特にニキビは、毛穴が開きすぎて皮脂汚れがたまりやすくなっていることが原因の場合があります。洗顔後、化粧水や乳液をつけたあとに、仕上げとして皮脂の分泌が気になる部分に収れん化粧水をコットンでパッティングすると、よりニキビ予防に効果的です。
また皮脂の量を抑える効果は、化粧崩れの防止にも効果を発揮してくれます。
肌の黒ずみ防止にも
同じ理由で肌の黒ずみ予防にも収れん化粧水は有効です。黒ずみは開いた毛穴に皮脂が詰まり黒ずんで見えてしまっている事が主な原因です。
毛穴を引き締めることで皮脂の詰まりを予防し、汚れが溜まってしまうのを防ぐ事が出来るというわけです。
【夏場】使い心地も魅力
ちなみに収れん化粧水にはアルコールを含んでいるものが多く、清涼感のある使い心地は夏場に重宝されるという特徴もあります。
しかし同時にアルコールを配合しているため、肌の弱いひとや敏感肌のひとは避けた方が良いタイプの化粧水であるとも言えます。
【(特に)夏場】化粧崩れの防止
暑くなると顔の汗で化粧がドロドロになってしまいがちですよね。
気温が高い時期にはそのクールな使い心地も魅力の収れん化粧水ですが、本来の肌を引き締めるという効果は上でもご紹介した通り、メイク崩れにとても有効。
メイク前に収れん化粧水をコットンを使って、ヒンヤリ感を感じるまで優しくパッティングしてみましょう。普段と化粧ノリやメイクの持ちの違いを実感できるはずですよ。
秋や冬にも活用できる
秋冬は夏に比べて皮脂の分泌はそれほど活発ではなく、夏場は気持ちよく感じる収れん化粧水の清涼感も、秋や冬には逆に遠ざける理由になりがちです。
しかしオイリー肌の女性の中には、夏だけでなく秋冬でもテカリやべたつきを抑えるために収れん化粧水を使うというひとももちろんたくさんいます。
収れん化粧水の成分について
肌に毎日つける化粧水ですので、収れん化粧水に興味があるけど実際どんな成分が入ってるのか気になるというひともいるかもしれませんね。
おもな成分をある程度知っておけば、自分に合いそうなものを見つける目安にもなります。収れん化粧水の成分には色々ありますが、用途によっていくつかに分けられます。
開いた毛穴のケアに使うなら
まず開いた毛穴が気になる人には、毛穴を引き締める効果がある成分を含んだ収れん化粧水が適しています。
具体的には有機酸(クエン酸、タンニン酸、乳酸)、アルコール等ですね。乳酸には古い角質を落としやすくして、保湿・殺菌する効果が期待できます。
皮脂を抑えたいなら
保湿作用や殺菌作用もある皮脂を抑えたいという人には、有機酸(クエン酸、タンニン酸)、ビタミンC誘導体を含むタイプがおすすめ。
肌のキメを整えるのが目的であれば、ハマメリエキス、アーチチョーク葉エキスといった植物抽出エキスを含むものを選ぶといいですよ。
収れん化粧水を使う上での注意点
肌を引き締める効果によるメリットはいろいろある収れん化粧水ですが、使う際に注意しなければならないこともいくつかあります。
使いすぎやデリケートなパーツへの影響
まずは少なからず刺激がある収れん化粧水ですので、使い過ぎは禁物です。肌を引き締める効果がいきすぎれば、肌荒れや乾燥の原因になってしまうこともあります。
収れん化粧水は通常の化粧水(いわゆる柔軟化粧水)とは違い、その多くは顔全体にたっぷり使うこと想定して作られているわけではないんですね。
あくまでも毛穴引き締めのためにパッティングする程度の使用を心掛けましょう。また、顔の中でもデリケートな部分、特に皮膚の薄い目元や口元は避けて使うようにしましょう。
乾燥肌・敏感肌のひとは使用を避けるべき?
肌を引き締めて潤いを閉じ込める、皮脂をコントロールしてニキビや黒ずみを予防するなど、いろいろとメリットの多い収れん化粧水ですが、乾燥肌のひとは使用を避けた方が無難と言えます。
乾燥肌のひとの使用
皮脂をコントロールするというのは、言い換えれば皮脂の分泌を抑えるということで、そもそも必要量よりも多く皮脂を分泌してしまいがちのオイリー肌なひとには確かに有効です。
しかし皮脂が必要量よりもすくなく肌が乾燥しがちな乾燥肌のひとには、逆に乾燥の悪化⇒肌荒れという悪循環を生んでしまうリスクがあります。
敏感肌のひとの使用
基本的に収れん化粧水は毛穴や肌の引き締め効果のためにアルコールを含んでいるため、敏感肌のひとも刺激の面で要注意です。
夏場はアルコールの清涼感がひとつの魅力でもありますが、そのせいで肌環境を悪化させてしまっては元も子もありませんね。
極力使用は控え、どうしてもという場合には乾燥肌・敏感肌のひとのための収れん化粧水と同等(あるいはそれに近い引き締め効果のある)化粧水も販売されていますので、そうしたものをチェックしてみてくださいね。
収れん化粧水の基本的な使い方
通常の(柔軟)化粧水は主に保湿のために使いますよね。肌を柔らかくして保湿成分を角質層に浸透させることがこの化粧水の仕事です。収れん化粧水は通常の化粧水と併せて使うことができます。
しかしスキンケアの中の『どのタイミングで』収れん化粧水を使えばいいのかよく分からない、という人もいるかもしれませんので、具体的な収れん化粧水の使い方についてご紹介したいと思います。
収れん化粧水には基本的な使い方と部分的に使用する方法の2種類の使い方がありますが、まずは基本的な使い方について。収れん化粧水を使用する場合には、保湿目的で使ういわゆる普通の化粧水と一緒に使います。
使い方の流れとしては、以下の順番が一般的です。
①洗顔
↓
②保湿のための化粧水
↓
③美容液・乳液・クリームなど
↓
④収れん化粧水
この場合はスキンケアの最後に収れん化粧水を使って肌を引き締めることで、化粧水や乳液、美容液、クリームなどで肌に補給した成分を、肌の中にきちんと閉じ込める効果が期待できます。
部分的に使用するという方法も
収れん化粧水は部分的に使用するという使い方もできます。
収れん化粧水の特徴をふまえ、テカりが気になる所など、自分が気になっている部分にピンポイントで使おうというわけですね。洗顔後の肌は弱アルカリ性になっていますが、これを収れん化粧水で弱酸性に戻してあげることで引き締め効果が期待できます。
このタイプの使い方の流れは、次の通り。
①洗顔
↓
②収れん化粧水
↓
③保湿目的の化粧水
↓
④美容液・乳液・クリームなど
この順番でスキンケアをしていきます。洗顔後すぐに収れん化粧水を使用することで肌を引き締める効果がさらに高まることが期待できるからです。
ただしこの場合は、できればアルコールフリーの収れん化粧水を使用するのが、より肌への負担が少なくすむのでおすすめです。
収れん化粧水でパッティング
収れん化粧水は、コットンでパッティングするようにして使用すると良いでしょう。
普通の化粧水なら手でパシャパシャと叩き込むようにして使用するのが良いですが、収れん化粧水の場合はコットンがおすすめです。ただ、コットンは強くこすりつけると肌への摩擦で傷をつけてしまうこともありますのであくまでも優しく扱いましょう。
収れん化粧水を浸したコットンを顔全体、または自分が気になる部分にパッティングします。すると肌がひんやりとした清涼感を感じるようになります。
ニキビができてしまっている部分はパッティングすると刺激になってしまうので、収れん化粧水を浸したコットンでゆっくりと抑えるようにして染み込ませるようにしてみてくださいね。
秋や冬にも!収れん化粧水の活用法
多くの収れん化粧水にはアルコールが含まれており、アルコールの蒸発によってヒンヤリ感じますよね。
この使用感が気持ちよくて夏場はよく使うけど、寒くなってくると逆にそれがネックで使うのをやめてしまうというひとも多いでしょう。
収れん化粧水には皮脂の分泌を調整する効果がありますので、お肌のキメを整えてくれます。お肌のキメが整えば、メイクのノリもよくなりますね。オイリー肌の場合には朝のメイク前に使うのがおすすめです。
冬場は部分的に
収れん化粧水をパッティングすることで皮脂が抑えられ、化粧崩れを防ぎます。
ただ冬場に収れん化粧水を使う場合には、全体的にパッティングしてしまうと冷たさを感じすぎてしまうこともあるかもしれません。この対策として、皮脂の分泌が気になるゾーンに部分的に使うのが上手な活用法としておすすめ。
コットンに収れん化粧水をとって小鼻やTゾーンなどを中心に使いましょう。続けて使うことにより、皮脂の分泌のバランスが整うので、メイクのノリの良い肌へかわっていくことを実感できることが多いものです。
肌に合わない収れん化粧水の活用方法
肌のコントロールには夏だけでなく、秋でも冬でも有効な収れん化粧水。
今まで「もう夏場を過ぎたから」と使いかけの収れん化粧水を捨ててしまっていたひとも、秋冬も続けて使用してみるのもおすすめです。
ただ肌の質はひとそれぞれですので、収れん化粧水に限らずともどうしても自分の肌に合わない、というケースも残念ながらあるものです。
覚えておきたい『合わない化粧水』の活用法
万が一買った収れん化粧水が肌に合わなかった場合でも、そのまま捨ててしまうのはもったいないですよね。
アルコールを含んだ収れん化粧水は、コットンに含ませて鏡をふけば曇り止めになります。すぐに曇ってしまうお風呂場の鏡などに使えますし、洗面台まわりのお掃除にもピッタリです。
普段マッサージにクリームを使っているという場合には、使うクリームに化粧水を混ぜるとテクスチャのかたいクリームも伸びがよくなります。
それでも余ってしまう場合にはお風呂に入れて入浴剤にしてしまうという手もあります。肌に合わないものでも、お風呂であれば薄められ、刺激が弱まります。
肌に使うのがどうしても不安という場合には、オーガニックオイルと混ぜてヘアミストにして使うという方法もあります。自分の好みの香りを選べば、毎日のヘアケアに気持ちよく使えますね。
実際に使ってみないと、化粧水が肌に合うかどうかはわかりにくいもの。
せっかく買った化粧水がですので、もし肌に合わなくてもそれはそれで有効活用しつつ、自分に合う収れん化粧水を見つけてお肌の調子を整えていきたいですね。